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処分撤回! 「学生の本分」をお前が決めるな! 10・3総人広場集会

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◆ 新たな「無期停学処分」に抗議する!

 9月10日、京都大学当局は新たに3名の京大生に対して無期限の停学処分を下しました。

 京大ホームページ上で公開された処分理由では、「職員の行為を妨害」したことが「学生の本分を守らない行為」だと断じています。

 「職員の行為」の内容は3つ。① 寮自治会の申し入れに参加した高田さんを『不審者』として警察に逮捕させる、② 学生の立て看板を無断撤去する、③ 同学会の集会を妨害する。

 こうした弾圧には学生からも市民からも批判が出ています。しかし職務の不当性は顧みられず、その一方で弾圧に「抗議すること」は問答無用で処分対象とされたのです。

 処分を決めたのは山極総長をはじめとした役員会。教授会の反対を押し切っての強行です。批判や抗議すら処分対象にする京大当局は、もはや教育機関ではなく独裁国家です。

 

 

 

◆ 「学生の本分」が意味するもの

 ところで、京大当局が主張する「学生の本分」には、実は定義が存在しません。「守らない行為」だけが2017年に学生懲戒規定の中で定められ、「大学の命令に違反」「教育研究を妨害」「刑罰法令に触れる」「大学の名誉を失墜」などの行為が処分対象になりました。国家・財界の意を受けた役員会が、気に入らない学生を処分できるように作った概念なのです。

 また、今回無期停学処分を受けた学生は、面談の場で「停学を解除してほしければ、全面的に謝罪し、集会や大学への申し入れなどに今後参加するな。卒業のために勉強しろ」と言われたようです。

 つまり論理も何もなく、「当局のやることはすべて正当! 『学生の本分』は当局に一切逆らわず、与えられたカリキュラムを消化することだ」ということです。何という暴論。学生の存在意義を勝手に決めるな!

 

 

◆ 処分はすべての学生に関係する問題

 今回の処分は、寮自治会の活動やタテカン規制反対の活動が理由にされています。今まで同学会の関係者に集中していた弾圧を、あらゆる領域に拡大するという宣言です。

 京大当局は、タテカンや吉田寮だけでなくNFにまで攻撃の手を広げ、学生の自由をとことん奪おうと画策しています。説明会すらなく、対話など望むべくもない状況。このまま進めば、ガチガチの管理の中で「当局が求める学生像」に合致することを強制されるでしょう。反戦ビラ一枚で逮捕された戦中の大学に逆戻りです。実際、京大の弾圧強化は、安倍政権の改憲・戦争政策と一体の大学改革として進んでいます。

 処分弾圧は、何も京大だけの問題ではありません。東洋大学では立て看板一枚出しただけで、退学処分の恫喝が行われるという事件がありました。大学を出て就職した後も、経営陣に逆らえば解雇されるような会社が山程あるのです。

 

 

◆ 反撃しよう! 10・3集会に集まろう

 弾圧に萎縮して規制を受け入れ続けるのか、逆にみんなで反撃して「処分なんてしたら大変なことになる」と役員会を恐怖させて処分を撤回させるのか。二つにひとつです。力なき理想は妄想でしかありませんが、例えば香港で200万人のデモが硬直化した政府の方針を撤回させたように、団結した人々の行動にはものすごい力があります。逆に言えば、だからこそ権力は些細な反乱の芽すら潰そうと躍起になるのです。

 今後ますます管理強化が進み、学生の自由が奪われるでしょう。これに抵抗できるかどうかは、処分と闘えるかどうかにかかっています。「何かあったら処分されるかもしれない」という重圧の中で行動を起こすのは大変なことです。だからこそ団結して闘おう。3人の処分に対して、京大生全員で「おかしい」と声を上げよう! 全学自治を復権し、全国の学生・市民と連帯し、役員会と対等に闘う力を作り出そう!

 

 

 

 

裏面

◆ エスカレートする弾圧体制

 2015年10月に行われた軍事研究・戦争反対のバリケードスト(同学会中執主催)に対して、「教育研究の妨害」として4名を無期停学処分にしました。その後「反省の余地なし」として4名を放学処分。続いて安田さん(現同学会委員長)を「職員への妨害」をしたとして18年2月に無期停学処分(その際、職員が安田さんに暴行したことは免罪されている)。

 その後、放学処分者や他大から支援に来た学生14名を学内立入禁止にして、ビラまきを「建造物侵入」と言い張って4名を刑事告訴し、逮捕・起訴させています(9月27日で全員保釈! 闘いはこれからです)。京大正門には弾圧専門の警備員が配置され、逆らう学生を速やかに処分・逮捕するために日常的に職員がビデオ撮影やビラ回収を行い「証拠」を集めています。これらはすべて、学生や教職員の意向を完全に無視する形で、大学本部=役員会=山極総長体制が一方的に進めてきたのです。

 

 

◆ 無期停学処分はどういうものか

 停学処分中は、授業を受けるどころかキャンパスへの立ち入りさえ禁止され、暴力的に排除されます。それにも関わらず、年間50万円以上の”授業料”を納入しなければなりません。

 さらに、「反省」=今後大学に一切逆らわず、早々に卒業することを誓わなければ停学は解除されません。例えば安田委員長は職員の業務が不当ではないかと意見した結果、「反省していない」と断定されて1年半以上に渡って停学が続いています。

 

 処分の目的は、逆らう学生を放逐して見せしめにすることで、他の学生を萎縮させて声を上げられなくすることです。 

 

 

◆ 学生の主体性を否定する産官学連携

 処分や規制が乱発される京大の背景にあるのは、1980年代に提言され、90年代から具体化されるようになった大学改革=「産官学連携」です。

 産官学連携の本質は国家・財界にとって都合のいい学問・教育を行う政策であり、「原材料を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書という保証書をつけ企業へ出す」とも説明されています。

 かつての大学は、学生の主体性が爆発していました。教室や廊下には無数のビラが散乱し、そこら中に立て看板が立てられ、どこでも酒盛りが始まり社会について語り合う。雑多で無秩序、しかしエネルギーに満ちあふれ、規制の圧力にものともせず、圧倒的に自由でした。

 それが今や学生は「原材料」=企業に出荷する商品とされ、不良品は廃棄(処分)される! 批判精神ではなく適応を、変革への情熱ではなく権力への屈服と諦めを、人々の連帯ではなく競争と分断を教える大学。主体性を否定し、政治的に無能であることを求める大学・・・そして安倍政権は、大学予算を操って改革を進め、軍事研究すら強要しようとしています。産官学連携と対決し、大学を学生の手に取り戻そう!