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10・3処分撤回集会の報告!

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処分当該が反撃の意思を表明

 10月3日、「処分撤回! 学生の本分をお前が決めるな! 10・3総人広場集会」を盛大に打ち抜きました! 9月10日付で新たに3名の学生に無期停学処分が下されたことを受け、処分撤回の闘いを呼びかける集会です。

 当日は、開始30分前から弾圧職員約30名が会場に待機し、集会に参加する学生を威圧し、ビデオ撮影してきました。しかしそれを囲むように多くの学生が会場に集まり、集会を始めました。

 

 門前では、処分当該のひとりが発言。「これは私たち三人だけの問題ではなく、今後一切学生は大学当局に逆らうなと言う宣言であり、見せしめの処分です」「おかしいことにはおかしいと言い、全学的に反撃しましょう」と情熱的に訴えました。この発言は後日ツイッターで公開され、いいねが2000を超えるなど、大きな注目を集めています。

 

→ 処分当該の当日の発言

 

 

「覆面禁止法」の先取り弾圧

 職員は、山極総長の決裁で「構内立入禁止」とされた者だけでなく、きぐるみやマスクを身に着けた学生をも「不審者」として弾圧し、無理やり学外へ排除しようとしました。今、香港デモに対して「覆面禁止法」が作られたことが話題になっていますが、京大ではすでに覆面への弾圧がはじまっています。

 ここで弾圧責任者のひとりである岸下智行(通称:マレーの虎)と学生のやり取りを紹介します。

 

岸下「立入禁止者か確認するために覆面をはずせ」

学生「任意ですか」

岸下「任意だ」

学生「じゃあ外しません」

岸下「ならば学生証を見せろ」

学生「見せません」

岸下「不審者として排除する」

 

 つまり、覆面ならば「不審者」として排除し、素顔ならビデオ撮影して懲戒処分の証拠にする、という形でキャンパスで学生に自由にさせない圧力をかけてきているのです。

 しかし周囲の学生がスクラムを組んで職員を押しとどめる中、きぐるみを着たひとりがマイクを握り、「自分は京大当局と対立するのが怖いし、今の同学会をいいとも思っていない。でも、行動しなければ何も変わらない。みんな考えてほしい」と発言しました。勇気ある行動に敬意を表します。

 

 

弾圧対象の拡大に対して全学的な反撃を

 最後に、安田委員長がこれまでのすべての政治的処分の撤回と、恣意的な「学生懲戒規定」の廃止を求める要求書を読み上げ、提出しました。受け取りを拒否する職員に抗議し、要求書を折りたたんで職員のポケットに入れようとしたり、テープで職員の背中に貼ったりしましたが、職員はまるで汚物を渡されたかのごとく飛び上がって要求書を跳ね除け、地面にポイ捨てして放置していきました。全く持って許しがたい対応に多くの学生から弾劾の声が上がる中、集会は幕を閉じました。

 

→ 提出した申入書

 

 集会中、門前でタピオカミルクキャラメルを配り、これが大人気。長蛇の列をなす学生たちが次々にビラを受け取り、集会に注目しました。作部前委員長は、「以前の集会では、構内に置いた飲食物や机が職員によって強奪されてしまった。だから今回、仕方なく門前で配っている。イベントもろくにできないキャンパスにしてはいけない」と職員を弾劾しました。

 

 現在、入試期間中に「オルガ先生像」をキャンパスに展示した学生一名に対し、新たな処分が検討されています。これは複数のメディアに取り上げられ、当時の受験生である1回生を含む多くの学生・市民が批判の声を上げています。

 今や学生の文化活動すら暴力的な弾圧にさらされる中、学生の怒りは高まっています。必要なのは、処分の圧力を突破し、京大で起きている数々の問題をみんなで取り組んでいくための全学的な団結です。

 

 きぐるみを着た学生の発言にあったように、今の同学会執行委員会のあり方に疑問を覚える京大生は少なからずいると思います。私たちはそういった疑問に応え、全学自治会を本当に全学生のものとして作り上げていきたいと思っています。メールでの質問や、Twitterで質問箱への回答も行っています。そのうえで、やはり直接討論し、行動することが何より大事なことです。ぜひ同学会の運営会議・代議員会にご参加を!

 

 

処分当該の当日の発言

 私を含めた京大生3名が新たに無期停学処分となりました。大学職員の命令に従わなかったこと、職員に抗議したことが主な処分理由です。実際には、当局が立入禁止にし、不審者と決めつけた学生を十数人で羽交い締めにするのを止めたこと、立て看板の強制撤去に抗議したこと、職員に対する抗議が暴言とされたことが今回の無期停学処分の根拠とされました。

 そもそも、学生を立入禁止にしたのも、不審者と決めつけたのも、タテカン規制を出したのも当局の方です。学生の意見を一切聞かず、もう決定したからと言ってすべてを学生に押し付ける。こんな状況の中で、職員に抗議しただけで無期停学処分です。この処分は私たち3人だけの問題ではありません。今後一切、学生は大学当局に逆らうなという宣言であり、その見せしめとしての私たち3人に対する無期停学処分です。

 実際私の周りでは、大学のやっていることはおかしいけど処分が怖くて何もできないという学生が何人もいます。

 

 私は、研究室の教授や工学部長から目立つこと・大学に歯向かうことはやめろと圧力をかけられ、正門を通るだけで警備員に通報され、学内を移動するときは常に10メートル後を警備員がついてきます。警備員を雇うのに数千万円使われています。ここ数年で学生監視のための監視カメラ・警備員増員・職員の大量動員には億単位のお金が使われています。全部私たちの学費です。学問をするために必要だと言われて集められたお金で、学生の自由な活動を監視し威圧しているのです。私は、大学職員に囲まれ、勝手にビデオ撮影をされ、名前を執拗に呼ばれます。こうやってあらゆる手段を使って学生が声をあげるのを阻止しているのです。

 

 山極総長は、ことあるごとに「京大は自由の学風だ、学生との対話を重視する」と言ってきました。しかし現実はどうか? 学生の意見なんて何も聞かず、メディアではゴリラ研究の権威としてもてはやされ、裏では都合の悪い学生を処分・逮捕し、自由のかけらもない大学改革を推進しています。

 京大の自由の学風は京大生自身の手で勝ち取ってきたものです。当局が自由を認めたことなんて今まで一度だってありません。

 私たちが高校生の時にあこがれた京都大学は何だったのか? スゴイ教授がいる、再審の研究設備、レベルの高い仲間・・・それだけじゃなかったはずです。

 ビラで埋め尽くされた教室、個性的な立て看板、ぼろぼろの学生寮、よく分かんない学生・教授がうろつくキャンパス、コスプレで参加する卒業式・・・

 何でもありの大学、どんな変人でも受け入れ対等に議論する雰囲気、一人ひとりが自分の道を情熱的に突き進む、キャンパスに言ったら誰かがなにかしている、何かが起こる、自分の知らない新しい発見がある・出会いがある。

 これこそが、京大の自由の学風であり、ノーベル賞やその他偉大な発見を生み出す基盤になったのではないでしょうか?

 

 大学改革でこれまでの授業のあり方は一変し、出席しないと単位が来ない、レポートに追われ興味のある研究ができない、学費を払うためにバイト漬け、お金に余裕がないとサークル活動もできない・・・

 学内規制を乱発して立て看板は出せなくなり、NFの日程は短縮されそうになり、学生寮が次々と潰されていく、大学のやっていることをおかしいと思っても処分されるのを恐れて何もしない、何も言えない・・・・

 すべてを諦めて淡々と単位をとって就職しろ! そう言われているようなものです。「自由の学風」というセールス文句に騙され、京大生は大学キャンパスと家を往復するだけの日々を繰り返すことになります。

 これこそが、まさに大学改革を推進する京大役員会・文科省・全国大学の理事会の狙いです。

 

 非常に興味深い発言を紹介します。21世紀の大学改革を議論する全国大学の総長・学長が参加する会議において、「学生は原材料だ。仕入れて加工し、卒業証書という保証書をつけて企業に送り出す。これが産学連携だ」と言ったのです。

 ふざけていると思いませんか? 彼らにとって学生は企業に売りつけるための労働力商品なのです。少しでもいい商品になるように、偉い人に逆らわない、上の決定事項には忠実に従え、決められた課題・レポートを期限までに仕上げろ、そうやって学生は自ら考え行動する力を奪われていくのです。会社で不当な扱いを受けても声を上げることすら許されない、声を上げるやつは不良品なのです。

 起きていることはサラリーマンの仕事と同じです。そこには、学生の主体性・研究分野に対する情熱、社会をより良くするという正義感、そんなものは一銭の価値もないと切り捨てられてしまいます。

 

 タテカン規制や吉田寮問題、NFの日程短縮、これらの問題がこの一年で一気にきた理由は、私たち京大性がなめられているからです。どんなに弾圧しても規制しても、京大生は声を上げないし行動しない。せいぜいツイッターでぐちを吐くだけだろう、当局はきっとそう思っています。間違いなくなめられています。

 しかしNFの日程短縮に対するアンケートで5000人が回答し、そのうち97%が反対し、その後当局は日程短縮を撤回しています。僕らがみんなで声を上げ行動すれば大学を変える力になる。今まさに、そこが問われています。

 

 高校までのように、学校の先生の言うことを聞いていれば大丈夫。どんなに理不尽なことが行われていても山極総長が決めたことだから、おかしいと内心では思っていても我慢して何も言わないのか。

 おかしいことにはおかしいという、自分の信念・考えを率直に伝える、そのために全学的に反撃するのか。

 問われているのは私たち一人ひとりの決断です。

 それが問われているのが、今回の3名の処分です。このままでは、もう当局に逆らうことすら許されない京大にされてしまいます。

 共に立ち上がり声を上げていきましょう。みなさんの思いを是非聞かせてください。

 

 

提出した申入書

 

申入書

 

国立大学法人「京都大学」

総長 山極壽一

 

 貴殿は、2019年9月10日付けで、3人の学生を「停学(無期)処分」とした。京都大学ホームページによれば、3学生は「厚生課窓口及び廊下において、不審者を取り押さえようとする職員の行為」などを「妨害するなどした」とされており、同ホームページはこのことが「京都大学学生懲戒規程第3条第5号『前各号に準ずる不適切な行為を行った』に該当し、京都大学通則第32条第1項に規定する『学生の本分を守らない』行為」であると主張している。

 3学生が「妨害するなどした」とされている「職員の行為」は、いずれも貴法人の「告示」で再三言及される「学生の自主的な活動」を直接妨害する行為にほかならず、大学構成員の本分に反していると言わざるをえない。「職員の行為」の方が懲戒処分の対象とならないのは、貴殿を先頭とする役員会・理事会の意向に沿った「業務」としてそれが行われたためであると考えられ、責任は貴殿にある。

 そもそも、2017年2月28日に改正された「京都大学学生懲戒規程」では、教授会に対しても総長の権限が強く、「懲戒の対象」の内容においても恣意的な処分の大きな余地が設けられている。この改正「懲戒規程」に基づいて下された4学生放学処分(2017年)、1学生無期停学処分(2018年)、2学生譴責処分(同)、そして今回の3学生無期停学処分は、すべて役員会・理事会による大学の私物化を貫徹するための政治的な懲戒処分であり、許すことができない。

 よって、以下要求する。

 

1. これまでに下されたすべての政治的な懲戒処分を撤回すること

2. 「京都大学学生懲戒規程」を廃止し、今後、恣意的・独裁的な懲戒処分を行わないこと

 

 回答期限は2019年10月10日とする。

 

2019年10月3日

京都大学全学自治会同学会執行委員会