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京大ビラまき弾圧裁判へ!|1月16日(木)14時より

授業開始前の早朝に教室でビラを撒いたことが「建造物侵入」にあたるとして、2018年11月に逮捕・起訴(いずれも昨年4月保釈)されていた阿津良典さん(下写真)・吉田耕さんの裁判が、いよいよ結審を迎えます。二人の最終意見陳述を聞き、法廷の空気を二人と共に作っていきましょう。すでに検察側立証は破綻に破綻を繰り返し、結局「何が悪いのか」すら語ることはできていません。政治弾圧の内実と検察の醜態を直接見に傍聴に来てください!

これまでの裁判の流れ

 阿津さん(同学会書記長・大学院地球環境学舎、17年放学処分)と吉田さん(全学連)は2018年11月、授業開始前の早朝に教室でビラを撒いたことが「建造物侵入」にあたるとして逮捕・起訴されました。それ以来、19年4月にそれぞれ数百万円もの保釈金を支払って保釈されるまで、有罪と決まったわけですらないのに、不当な長期勾留を受けてきました。

 二人の裁判は3月にはじまり、これまで10回近くの公判を重ねてきました。しかし、この裁判の中で明らかになったことは、二人の有罪などでは断じてなく、結局「何が悪いのか」すら語れない検察の政治弾圧の破産と、裁判所のあまりに検察贔屓の不公正な立場性でしかありません

 検察は「ビラ撒き」というどのサークルも行うようなことを、「建造物侵入」と称してさも重大犯罪であるかのように印象づけるため言葉の限りを尽くしてきました。しかし、「二人のビラ撒きで、どのような法益(法律で保護すべき権利や利益)が侵害されたのか」という核心や、京大当局の横暴と切り離して考えることはできないという弁護士の主張に対しては、何も語る言葉を持っていなかったのです。 裁判所は公正に真相の究明にあたらなければならない立場にもかかわらず、検察側証人(警察官と、瀧本健生課長=写真をはじめとする京大の弾圧職員)は全員採用しながら、被告・弁護人側が申請した証人(山極総長や川添副学長)は一切却下しました。証人として出廷した京大の職員はいずれも、「総長の決裁があったから正当」「総長の指示に従ったまでで自分には責任はない」などと口を揃えていたにもかかわらずです。
 こうした中で、いよいよ1月16日(木)14時からの公判では、被告二人の最終意見陳述と、検察からの求刑が行われます。検察側立証の破産は明らかです。傍聴席と被告とが団結し一体となって、法廷の空気を支配し、政治弾圧の下手人=検察と裁判官をこそ裁く法廷へと転化しようではありませんか。すべての学生・市民の皆さんに対して、傍聴への参加を強く呼びかけます!

発展する処分撤回運動と一体で、社会を動かし変える京大学生運動を!

 京大では、3学生への無期停学処分撤回を求める運動が、「オルガ像処分」阻止を求める運動、さらには立て看板規制や学生自治寮への攻撃に抗議する運動とも一体となって、大きく発展していますこうした学生の運動(実際には教員や市民も巻き込んで広がっている)の発展に恐怖した京大当局は、学生に対して露骨な分断攻撃を仕掛けてきたり、警察に頼って刑事弾圧を行ったりとしています。

 しかし、結局はどれも徒労に終わり失敗することははっきりしています。学生の団結した力と、教員・市民の連帯があれば、山極総長や川添副学長が何を決めようと、そして良心を売って彼らの手先となっている弾圧職員がいようと、何もできることはないからです。学内集会の弾圧に来た職員が、学生の団結した力を目の当たりにして肩を落として引き返すしかなかったということも昨年起こっています。

 ま、京大の外に目を転じれば、戦後日本的あり方を一掃するようなことが各地で相次いでいます。連帯労組関西地区生コン支部という労働組合に対しては、憲法第28条に規定された労働三権や労働組合法を完全に無視した、組織そのものの壊滅を狙った刑事弾圧が行われています。この刑事弾圧では、「犯罪があったから逮捕しているのではなく、労働組合をなくすために逮捕している」と警察自身が豪語しています。あるいは、昨年のあいちトリエンナーレ問題や参院選における安倍首相街頭演説への野次排除など、表現の自由も危機的岐路にあります。そうした中で、政府は中東地域に自衛隊を派兵し、さらには「数年内に憲法を変えて、自衛隊を明記するとまで安倍首相は宣言しています。大学についても、軍事研究の拡大や政府による大学運営への介入の強化など、学問の自由や大学自治を解体するような政策が取られています

 京大でいま起こっていることも、こうした社会全体の動きと切り離されたものではありません。独裁国家・戦争国家へと日本社会を変えようとする動きの一環として、いまの京大の状況があります。だからこそ、これらの動きと対決する労働運動・市民運動と連帯し迎撃してこそ、京大学生運動の本格的発展も、そして運動の目標地点である、自由に立て看板の出せる京大、職員に抗議しただけで処分されない京大――すなわち真に「自由な学風」も実現することができるのです

 確かに目には見えにくいところも多いですが、世の中では多くの人々が立ち上がり、いまの社会のあり方と対決し闘っています。労働運動・市民運動にも積極的に連帯して、闘っていきましょう!